伝産工房修理日誌

花立の水漏れについて

花立の水漏れについて

2024年06月26日 14:57

仏具から水漏れしたときの原因と対策法


目次


  1. 仏壇の内部に水滴が付いていたら疑うことは?


  2. 仏具のどこから水漏れしているの?


  3. どうして水漏れするの?


  4. どうやったら水漏れが止まるの?


  5. プロにお任せしたらどのように直すの?



1.仏壇の内部に水滴が付いていたら疑うことは?


仏壇の中をよく見たら水滴が付いているということはありませんか?


その水滴は仏具からしみ出たものである可能性があります。




2.どの仏具から水漏れしているの?


仏壇の中で水漏れする可能性がある仏具といえば、花瓶(かひん・花立て)と華瓶(けびょう・華鋲)です。


これらの仏具のいずれかから水漏れしている可能性があります。



3.仏具のどこから水漏れしているの?


どの仏具から水漏れしているか把握するのは簡単かと思います。しかし、その仏具のその部分から水漏れしているのか特定するのは意外と難しいものです。そこで、どの部分から水漏れしやすいのかをご紹介します。



[花立ての場合]

花立ての場合、水漏れする箇所で最も多いのは底面です。9割方はこの部分からの水漏れとなります。


次に、割合いとしては少数ですが、前面の模様部分や側面の耳の付け根部分から水漏れする場合もあります。



[華鋲の場合]

華鋲の場合、水漏れする箇所で最も多いのはこちらの場合も9割が底面です。比較的最近の品物の場合はあまりありませんが、数十年前の製法の違う品物の場合など、劣化した側面から水漏れする場合もあります。



4.どうして水漏れするの?


花立て・華鋲ともに多くの場合、底面は本体とは別パーツの真鍮板を貼り合わせています。


ご使用の年数が経過するとともに接合面が劣化して隙間が生じ、その隙間から水漏れするというのが原因です。はんだ付けで取り付けてある品物が多いですが、経年で劣化して隙間ができてしまいます。また、接着剤で取り付けてある品物もありますので、その場合はより短期間で接着剤自体が劣化してやはり隙間ができてしまいます。


底面から水漏れしている状態


また、隙間からの水漏れとは別の原因として、底面に貼り合わせてある真鍮板自体が劣化してしまっている場合があります。その場合は底面の中心の小さな割れ目や細かい穴から水漏れします。底面に赤茶色の斑点が出ていたら完全に劣化しているサインです。脆くなっているので硬い物で突くと簡単に穴が空いてしまいます。


この場合は、底面の真鍮板自体を交換することとなります。

底板が劣化している状態



5.どうやったら水漏れが止まるの?

水漏れ箇所が特定できれば、その部分を塞げば水漏れを止める事が可能です。しかし、接合面はたいてい汚れており接合面についた不純物を取り除くのは一苦労です。そのまま接着剤などで穴を塞ぐこともできますが、劣化が早く一時的なものでしかなく長持ちしづらいです。専門家に依頼する方がしっかりとした修理が可能です。




6.プロにお任せしたらどのように直すの?

ご説明した通り、水漏れを直すには接合面をきれいにする必要があります。

まず、底面に取り付けられている真鍮板を取り外します。写真のように取り外すと内部がコールタールで覆われています。花立内部の防水機能として流し込まれまれるものなのですが修理の際にはこれが入ったままでは油分が邪魔をして密着しませんので写真のように一度きれいに取り除きます。






接合面がきれいになった状態で、真鍮板を再取付けします。接着剤では劣化が早いため、はんだ付けできっちりと接合します。

底板の取り付けが完了したら、水漏れがないか検査をおこないます。水漏れしないことが確認できたら、再度防水機能としてコールタールを花立内部に流し込み水漏れ修理が完了です。

このように専門家に任せることでお困りの水漏れ修理がきっちりと直すことが可能です。





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